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「子どものいない人生の歩き方」という本をよんで

最近、「子どものいない人生の歩き方」という本を購入しました。

 

カウンセリングでは、不妊治療の末、子どもを授かった方もいれば、願いかなわず、子どもを授からないまま、治療を終了する方にもお会いします。

 

治療のその後は、実に様々です。

 

血縁のある子どもとは縁はなかったけれど、里親制度や特別養子縁組などで子どもと出会い、子育てをしている人もいます。不妊治療を経て子どもを授かる道だけでなく、こちらの道を紹介され、選択したという方もおられます。

 

その一方、様々な事情・理由で、子どもを育てる・共に暮らすという道ではない、別の道を歩む方もいる。

 

大学時代、卒業論文で「子どもが欲しいと思う心理」について取り上げました。そのときに集めたたくさんの資料・書籍の中に「チャイルド・フリー」という本があります。

 

今、「チャイルド・フリー」という言葉を調べると、積極的に子どもを持たない人生を選択した、という意味で使うという説明が出ますが、私が資料として読んだ本では、パートナーが望まなかったなどの事情で、消極的な形でチャイルド・フリーを選んだ女性たちも登場します。決して、みんながみんな、喜んで子どもの伊那人生を選んだわけではないけれど、「チャイルド・フリー」という言葉に、子どもがいる・いないではない、子どもの有無だけにとらわれない生き方という意味合いを含ませていました。

 

その考え方に、学生時代の私はとても共感を感じたのを覚えています。

子どもの有無で、私という人間を決めてほしくない、そんな思いがあったように思います。そのため、卒論はかなり自分の主張も混じったものになってしまい、今でいうとことろの「イタイ」論文になってしまいましたが。

 

「子どものいない人生の歩き方」という本を読んで、久しぶりにそんな昔(そう、もう何十年も前になります)のことを思い出しました。

 

以前に比べると、不妊治療のこと、望んでいるのになかなか子どもが授からないで悩んでいる人がいることは、社会的な場でも語られることが増え、当事者からの発信も増えました。

ですが、その反面、子どもが授からなかった方々のこと、その後の思いなどについては、どこまで伝わっているのか、ときどき、疑問に思うことがあります。

 

生殖心理カウンセラーとして、子どもを望む方々のサポートも行っていますが、一方で、子どもを望みながらも願った道には進めなかった・進まなかった方々へのサポートも、これからも続けていきたい。

今回、その思いを新たにしました。